MCI(軽度認知障害)
MCIとは
MCIの定義・意味
アルツハイマー型認知症び治療薬は、2010年8月現在で、アリセプトがあります。
しかし、アリセプトは、アルツハイマー型認知症を根本的に治す薬ではなく(元には戻らない)、その進行を抑制する薬です。
そこで、認知症の初期症状を見逃さないということが重要になってくるわけですが、これと同じ文脈で最近注目されているのが、MCIという概念です。
MCIとは、認知症ではありませんが、認知症になる前の段階をいいます。
よく言われている認知症の初期症状とは異なります。
Mild cognitive Impairment の略で、日本語では、軽度認知障害と訳されています。
アルツハイマー型認知症の原因ではないかと考えられているベータアミロイドは、症状が目立つ10~20年前から蓄積が始まっているといわれていますが、MCIとはこうした段階を指すものです。
MCIの判断・診断基準
人の脳の神経細胞は、徐々に消滅していて、80歳以上になると、20%も減ってしまうといわれています。
したがって、加齢による単なるもの忘れは、生理的なもの(正常)で、仕方がないものです。
MCI(軽度認知障害)は、こうした加齢による単なるもの忘れとは区別されるものです。
具体的には、たとえば、次のような判断・診断基準があります。
- 年齢に沿わない(年齢相応を超えた)強いもの忘れ(記憶障害・記憶機能低下・記憶力低下)がある
- 記憶機能以外の全般的な認知機能は保たれている
- 日常生活は基本的にできる
- 認知症ではない
ただし、MCI(軽度認知障害)の判断・診断基準は、専門家等によっても異なっているようです。
MCIとアルツハイマー型認知症との関係
アルツハイマー型認知症は、次のようなコースをたどるといわれています。
加齢による生理的な(正常な)もの忘れ→MCI(軽度認知障害)→アルツハイマー型認知症
しかし、MCI(経度認知障害)と診断されたからといって、必ずアルツハイマー病になってしまうというわけではありません。
MCI(経度認知障害)の人が適切な治療を行えば、認知症に移行することを防いだり、遅らせたりすることができることがわかっています。
これにはいろいろな報告結果があり、たとえば、記憶障害のみのMCI(軽度認知障害)では、4年後の認知症への移行率は24%である、ともいわれています。
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