治療―薬―アリセプト
アリセプトとは
はじめに
日本でももっとも多いアルツハイマー型認知症も、そのサイン=初期症状を見逃さず、適切な対対応ができれば、治ったり、進行を遅らせることも可能です。
治らなくても、一生、初期のままをキープすることさえできれば、本人もその家族も幸せです。
そして、初期症状が現れた場合の対応策には、次の3つの柱があります。
- アルツハイマー型認知症の進行を止める薬を服薬する
- 家族など周りの者が適切な接し方をとる
- 本人が適切な生活習慣をとる
ここでは、アルツハイマー型認知症の進行を止める薬としてよく使用されているアリセプトについてまとめてみます。
アリセプトの定義・意味
アリセプトとは、認知機能に大きく関係しているアセチルコリンが不足することを防ぐことで、アルツハイマー型認知症の症状の進行を抑える効果がある薬です。
アリセプトの適用範囲・適用対象
アリセプトは、アルツハイマー型認知症の軽度・中度・高度をカバーしています。
アリセプトの正式名称
アリセプトは商品名で、正式名称はドネペジルといいます。
アリセプトの経緯・沿革・歴史など
アリセプトの発売・販売
アリセプトは、エーザイより、1999年11月24日に発売された、国内初のアルツハイマー型認知症の保険が適用される治療薬です。
特許関係
アリセプトのアメリカでの特許は2010年11月に切れました。
そのため、日本では、2011年11月にドネペジルの後発品が各社から発売されます。
しかし、高度のアルツハイマー型認知症に使用する特許については、特許権の存続期間が2013年6月22日まで延期されました。
これにより、ドネペジルの後発品においては、その効能に高度のアルツハイマー型認知症は当面含まれないこととなりました。
アリセプトの薬効・作用
効果・効用・効能
アセチルコリン不足の防止(アセチルコリンエステラーゼ阻害作用)
アセチルコリン(認知機能に大きく関係している神経伝達物質)を分解する酵素をアセチルコリンエステラーゼといいます。
アリセプトは、このアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害することで、アセチルコリンの不足を防止する効果があります。
そして、この効果により、アルツハイマー型認知症(軽度~高度)の症状の進行を抑制すると言われています。
ただし、対症療法であって、アルツハイマー型認知症を根本的に治す薬ではありません。
また、アルツハイマー型認知症以外の認知症では、その有効性は確認されていません。
なお、実際の臨床試験の報告等(アリセプトの実際の効果)については、次のページを参照してください。
副作用
胃腸障害
アリセプトの副作用の代表例は、吐き気、嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛などの消化器系の症状です。
興奮を引き起こす作用
アリセプトは興奮系の薬剤です。
したがって、アリセプトの副作用として、興奮しやすく怒りっぽくなることもあります。
ドーパミン障害
アルツハイマー型認知症とは、神経伝達物質の一種で、認知機能に大きく関係しているアセチルコリンが不足する病気です。
このアセチルコリンの不足を防ぐために、アリセプトが使用されているわけです。
しかし、体内では、アセチルコリンはドーパミンと、一定のバランスが保たれていて、どちらか一方だけを補充すると、他方が不足してしまいます。
そのため、アリセプトを使用してアセチルコリンを補充すると、ドーパミンが不足して、パーキンソニズム(症状は小刻み歩行など)を引き起こす場合があります。
アリセプトの用法(用量・服用時など)
次のページを参照してください。
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