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認知症―分類―レビー小体型認知症


レビー小体型認知症とは 【Dementia with Lewy Bodies

レビー小体型認知症の定義・意味

レビー小体型認知症とは、アルツハイマー型認知症のような認知障害と、パーキンソニズムと呼ばれるパーキンソン病の症状のような運動障害(小刻み歩行などの歩行障害等)の両方が症状として現れる認知症をいいます。

DLBと通称されています。

レビー小体型認知症の位置づけ・体系

レビー小体型認知症は、日本の三大認知症のうちの一つです。

認知症の10~20%がレビー小体型認知症です。

ただし、近年では、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症ともいわれています。

なお、認知症は、通常、次の4つの種類に分類されます。

  1. アルツハイマー型認知症
  2. 脳血管性認知症…脳出血、脳梗塞などの脳血管障害
  3. レビー小体型認知症
  4. 前頭側頭型認知症(ピック病)

レビー小体型認知症の経緯・沿革・歴史など

レビー小体型認知症は、1995年に、横浜市立大学名誉教の小坂憲次先生が報告し、世界的に知られるようになりました。

レビー小体型認知症の症状(特色・特徴)

初期症状
幻覚とせん妄

初期症状として、幻覚やせん妄が現れることがレビー小体型認知症の特徴といわれています。

うつ状態

初期症状として、うつ病の症状が出ることがあります。

運動障害

レビー小体型認知症は、パーキンソン病の症状のような運動障害も症状として現れます。

たとえば、小刻み歩行などの歩行障害や嚥下障害(のみこみにくくなる)が起こります。

薬物過敏性

レビー小体型認知症の患者さんは、薬物に過敏に反応します。

つまり、薬が効きすぎてしまうのです。

アルツハイマー型認知症の治療薬であるアリセプトが通常に5mg処方されると、パーキソン病の症状の悪化を招くことが多くあります。

そうすると、寝たきりになってしまいます。

逆に、パーキソン病の症状をよくするために、パーキソン病の治療薬を通常量で処方すると、今度は、認知機能の悪化を招きます。

つまり、レビー小体型認知症では、薬物治療にあたってはジレンマに直面することになります。

その他
食欲低下

レビー小体型認知症の仕組み(しくみ・メカニズム)

パーキンソン病は、レビー小体と呼ばれる物質が脳幹に現れることでドーパミンが不足する病気です。

このレビー小体が大脳皮質に現れると、レビー小体型認知症となります。

レビー小体型認知症の治療

レビー小体型認知症では、認知症に対する治療とパーキンソン病の症状に対する治療の両方が必要となります。

名古屋フォレストクリニック院長の河野和彦先生のブログから、次の言葉を引用しておきます。

レビー小体型認知症(DLB)という変幻自在の難病が世に登場したときに、西洋医学は壁に当たった。幼稚な診断基準ではあてはまらない患者ばかりで医師はパニック状態になっている。診断できないと治療できないのが西洋医学の致命的な欠点である。漢方は、たとえ未知の疾患であっても患者の苦痛を取り除くことができる。

片山壽尾道市医師会長(注)がおっしゃったように「DLBは、患者をよく診ない医師に課せられた神からの試練」である。患者の体をよく触り、家族の訴えに耳を澄まし、患者の病態に合わせて時々刻々処方を変えてゆかないと患者は急激に悪化し、弱ってゆく。

患者に合う薬の用量なぞ医師にわかるわけもなく、家族に最初から副作用を教えておいて家族の気づきで加減を続けてゆく。薬の種類以上に用量も大事である。



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