[介護]介護保険

介護保険法等による介護保険・福祉制度を中心に介護に関する情報を提供します。


高額な利用料に歯止めをかける制度①―高額介護サービス費―利用者負担上限額


利用者負担上限額とは

利用者負担上限額の定義・意味など

利用者負担上限額とは、1世帯の1カ月あたりの介護保険利用料の上限額をいう。

ただし、介護保険法上の正式名称ではなく、市区町村により呼び名は異なる(例.「自己負担上限額」など)。

2015年時点では以下のとおり、所得区分に応じて設定されている。

  1. 生活保護受給者と老齢福祉年金受給者…15000円
  2. 住民税非課税世帯で課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円以下の人…15000円
  3. 住民税非課税世帯で課税年金収入額と合計所得金額の合計が80万円を超える人…24600円
  4. 一般世帯…37200円
  5. 現役並み所得者…44400円

利用者負担上限額の法的根拠・法律など

介護保険法施行令

利用者負担上限額については、介護保険法施行令で、その金額のみが規定されている(第22条の2の2第2項以下)。

介護保険法施行令
高額介護サービス費
第二十二条の二の二  …
2  高額介護サービス費は、同一の世帯に属する要介護被保険者等(法第六十二条 に規定する要介護被保険者等をいう。以下同じ。)が同一の月に受けた居宅サービス等及び介護予防サービス等(介護予防サービス若しくはこれに相当するサービス又は地域密着型介護予防サービス若しくはこれに相当するサービスをいう。以下同じ。)に係る次の各号に掲げる額を合算した額(以下「利用者負担世帯合算額」という。)が三万七千二百円を超える場合に、当該月に居宅サービス等を受けた要介護被保険者(被保護者を除く。以下この項、次項、第五項から第七項までにおいて同じ。)に支給するものとし、その額は、利用者負担世帯合算額から三万七千二百円を控除して得た額に要介護被保険者按分率(要介護被保険者が当該月に受けた居宅サービス等に係る第一号及び第二号に掲げる額の合算額(以下「要介護被保険者利用者負担合算額」という。)を利用者負担世帯合算額で除して得た率をいう。)を乗じて得た額とする。

利用者負担上限額の目的・役割・意義・機能・作用など

高額介護サービス費

介護保険利用料が利用者負担上限額を超えた場合、申請(後述)をすれば、その超過分が高額介護サービス費として指定した口座に払い戻される。

利用者負担上限額の計算方法

世帯合算

利用者負担上限額は、世帯単位で設定されている。

したがって、夫婦で介護保険サービスを利用している場合などは、自己負担限度額を超えて利用料を払い過ぎている可能性が高い。

利用者負担上限額に関する手続き

高額介護サービス費の申請

介護保険利用料が利用者負担上限額を超えた場合、市区町村から「介護保険高額介護サービス支給申請書」が郵送されるので、申請はこの申請書を作成・提出して行う。

ただし、約3カ月遅れで郵送されてくる。

また、申請は一度行えばよく、以降の申請は不要である。

ただし、指定した口座を変更する場合は再申請が必要となる。

所得区分に変更が生じた場合

所得区分に変更が生じた場合、利用者負担上限額は自動的に変更されるので、手続きは不要である。

利用者負担上限額と関係する概念

間違いやすい概念
負担限度額

負担限度額食費・居住費の軽減制度に関するもので、高額介護サービス費に関する利用者負担上限額とは異なる。

両者は紛らわしいので、注意を要する。



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