［介護］介護保険

特定福祉用具販売（福祉用具購入費の支給）

特定福祉用具販売とは

特定福祉用具販売の定義・意味

特定福祉用具販売とは、要介護者が、福祉用具のうち、入浴や排せつ関連の用具（特定福祉用具）を介護保険を利用して購入することができる介護サービスです。

つまり、所定の福祉用具購入費の支給制度です。

年間１０万円（うち利用者負担は１割）を限度に認められています。

介護保険法
第八条
...
１３ この法律において「特定福祉用具販売」とは、居宅要介護者について福祉用具のうち入浴又は排せつの用に供するものその他の厚生労働大臣が定めるもの（以下「特定福祉用具」という。）の政令で定めるところにより行われる販売をいう。

 

ただし、いったん利用者が全額を支払う必要があります。そして、市区町村の窓口に所定の申請すれば、後日購入費の９割が介護保険から支給されます。

特定福祉用具販売―申請手続きの手順・方法・仕方

 

なお、要支援者が受けられる特定福祉用具販売は、特定介護予防福祉用具販売といいます。

要介護者が購入できる特定福祉用具より、その範囲が狭くなっています。

次のページを参照してください。

特定福祉用具販売―要支援者の場合―特定介護予防福祉用具販売とは

 

特定福祉用具販売の目的・役割・意義・機能・作用

福祉用具は、原則としてレンタル（貸与）です。

福祉用具貸与とは

 

しかし、入浴や排泄関連の福祉用具は、レンタルで使用するには抵抗感があります。

そこで、これらについては特別に購入することができるものとしたのが、特定福祉用具販売です。

特定福祉用具販売は、福祉用具貸与の制度とともに、介護環境を整えるためのサービスといえます。

 

特定福祉用具販売の位置づけ・体系

特定福祉用具販売は、介護サービスのうち、自宅で利用する居宅サービスに位置づけられます。

介護サービスの全体像―どんなサービスを受けられるの

 

特定福祉用具販売の特色・特徴

特定福祉用具販売の指定を受けた事業所での購入が条件

介護保険を利用して特定福祉用具を購入するには、特定福祉用具販売の指定を受けた事業所^※で購入することが必要です。

^※特定福祉用具販売の指定を受けた事業所には、福祉用具専門相談員が配置されています。

 

特定福祉用具販売の内容

介護保険が利用できる特定福祉用具には全部で次の１１品目があります。

1. 腰かけ便座
2. 特殊尿器...尿や便が自動的に吸引されるもの
3. 入浴補助用具...入浴用いす、浴槽内てすり、浴槽内いす、 入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト
4. 簡易浴槽...空気式または折りたたみ式等で簡単に移動ができるもので、工事を伴わないもの
5. 移動用リフトのつり具^※

^※移動用リフトの本体は、福祉用具貸与の対象となります。

 

特定福祉用具販売の要件・条件

対象者

要介護者（要介護１～５の人）ですが、支給額については、要介護度による違いはありません。

 

対象となる特定福祉用具

同一種目の購入制限

購入費用の合計が同一年度内で１０万円（うち利用者負担は１割）に達するまでは、福祉用具購入費の支給が受けられます。

しかし、原則として、同一年度内に同じ種目の特定福祉用具を複数購入することはできません（支給の対象にならない）。

ただし、例外的に、購入した福祉用具が壊れてしまった場合は、同じ種目の特定福祉用具を購入することができます。

 

要介護度による購入制限

要介護１～２の人は、原則として、移動用リフトのつり具は対象外になっています。

 

 

特定福祉用具販売の申請手続き

介護保険から特定福祉用具の購入費を支給してもらうには、事前に市区町村へ申請して審査を受ける必要があります。

特定福祉用具販売―申請手続きの手順・方法・仕方