[介護]介護保険

介護保険法等による介護保険・福祉制度を中心に介護に関する情報を提供します。


②要介護認定―基準2―介護の必要の程度は―要介護状態区分(要介護度)


要介護状態区分とは

要介護状態区分の定義・意味

要介護状態区分とは、その人の介護の必要の程度に応じた、次の5つの区分のことです。

  1. 要介護1
  2. 要介護2
  3. 要介護3
  4. 要介護4
  5. 要介護5

要介護状態区分を決める基準は、病気やケガなどの症状が重いか軽いかということではなく、どのくらい介護の手間(=時間)がかかるのかということです。

要介護1から要介護5となるにしたがい、介護を要する度合いが高くなります。

一般的には要介護度などと呼ばれています。

介護保険法 (定義) 第七条…その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)…

要介護状態区分」という概念の介護保険制度上の位置づけ

実際に介護保険サービスを受けるためには、市町村の要介護認定を受ける必要があります。

要介護認定とは、市区町村が、申請者について、
要介護者に該当することと
②その該当する要介護状態区分
を認定する手続きです。

つまり、要介護者に該当するとして、その介護を要する度合い(要介護1のレベルか、要介護2のレベルか、…)も認定されることが、介護保険サービスを受けるための条件の一つとなっています。

要介護状態区分の内容とその認定効果

ここでは、要支援状態区分も含め、要介護状態区分の内容と利用できるサービスの範囲を一覧表のかたちでまとめてみます。

以下の8つの区分のうち、要介護1~5、要支援1・2に認定されれば、介護保険サービスを利用できます。

これに対して、認定結果が「非該当」であれば、介護保険サービスを利用することはできません。

要介護1~5と判定された人は、介護サービスを、要支援1・2と判定された人は、介護予防サービスを受けることになります。

そして、要介護度要支援度の高い人ほど、介護保険サービスを1割負担で利用できる範囲(=支給限度額)が大きくなります。

要介護度要支援度が高く認定されるほど、より多くのサービスが介護保険で利用できるようになるということです。

要介護度 支給限度額
区分 心身の状態例 具体例 要介護認定等基準時間
非該当 日常生活動作手段的日常生活動作も自分で行える状態です。
要支援1 日常生活動作はほぼ自分で行うことができるが、手段的日常生活動作について何らかの支援が必要な状態です。 25分以上
32分未満
4,970単位
要支援2 要支援1よりも日常生活動作を行う能力がわずかに低下している状態です。 25分以上
32分未満
10,400単位
要介護1 要支援状態から、手段的日常生活動作を行う能力がさらに低下し、部分的な介護が必要となる状態です。 具体的には、身の回りの世話に何らかの介助を必要としたり、移動に何らかの支えを必要とする、あるいは、少し問題行動や理解の低下がみられることがある、というような状態です。 32分以上
50分未満
16,580単位
要介護2 要介護1の状態に加え、日常生活動作にも部分的な介護を要する状態です。 具体的には、排泄や食事に何らかの介助を必要とするような状態です。 50分以上
70分未満
19,480単位
要介護3 日常生活動作手段的日常生活動作の両方の面で著しく低下し、ほぼ全面的な介護を要する状態です。 70分以上
90分未満
26,750単位
要介護4 要介護3の状態よりさらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を営むことが困難となる状態です。 90分以上
110分未満
30,600単位
要介護5 要介護4の状態よりさらに動作能力が低下し、介護なしには日常生活を行うことがほぼ不可能な状態です。 具体的には、食事がほとんどできなくなり、多くの問題行動や全般的な理解の低下がみられる、というような状態です。 110分以上 35,830単位

要支援要介護要支援2と要介護1)との判断基準

要介護状態要支援状態、つまり、要支援2と要介護1との区別の具体的な判断基準のポイントは、次の2点です。

  1. 日常生活に支障をきたす認知症があるかどうか
  2. 病気やケガで心身の状態が不安定かどうか

訪問調査票の特記事項主治医意見書の両方が 、「認知症がある」、あるいは、「状態が不安定」、とあれば、二次判定要介護に振り分けられます。



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